Magazine No.5

「スマホを年金手帳に」のUI/UX思想―テクノロジーが引き寄せた、指先での資産形成

2020.07.09

「スマホを年金手帳に」のUI/UX思想―テクノロジーが引き寄せた、指先での資産形成

2018年11月に開催された第2回「LivingTech カンファレンス」。『POST2020』をテーマに掲げ、2020年から5年後の社会を考えるトークセッションが展開されました。人口減少、少子高齢化、過剰供給……。社会課題について交わされた13個のセッションの中から、『FinTechを活用した新規事業開発』と題して行われたセッション(全7回)の2回目をお届けします。

登壇者情報

テクノロジーにデザイン性を合わせることで、資産形成への興味関心を高める

吉田 続きまして伊藤さんにお話を伺います。

伊藤充淳氏(以下、伊藤) KDDIアセットマネジメントの伊藤と申します。まず自己紹介をさせていただきます。

伊藤 充淳:KDDIアセットマネジメント 営業企画部部長。2007年よりカブドットコム証券株式会社。営業部門・システム部門・イノベーション部門にて新規事業開発・商品開発・システム企画、手数料戦略、B2B事業戦略を担当。トレーディングツール・スマートフォンアプリの上流設計や証券ビッグデータ分析基盤の構築に従事。2018年よりKDDIアセットマネジメント株式会社へ。KDDI・大和証券グループ本社の共同出資により設立された同社に立ち上げメンバーとして参画。投資運用業・確定拠出年金運営管理機関業の許認可を取得し、デジタルネイティブ世代向けの資産運用プラットフォーム構築を推進。

2007年より、カブドットコム証券の松永さんと一緒に仕事をさせていただいておりました。カブドットコム証券の営業部門・システム部門・イノベーション推進部門において、主に商品開発やUXの戦略立案やトレーディングツールの上流設計やマーケティングを全般的に担当しておりました。

じぶん銀行の木本さんとは、じぶん銀行との金融商品仲介や銀行証券口座開発の連携を一緒に推進させていただきました。

アビームの吉田さんとは、三菱UFJ信託銀行時代にiDeCoの投資教育領域で一緒にお仕事をさせていただきました。また、FinTechスタートアップの協業や資本出資の担当もさせていただいておりました。

KDDIアセットマネジメントのミッションは、「テクノロジーとデザインで資産形成を一緒にしていく」を掲げております。

ご承知おきの通り、欧米との比較において日本は、投資・資産運用による資産形成が非常に遅れています。預貯金が今900兆円ぐらいあるのですが、これがほぼ米国の預貯金額と同じです。

この900兆円をうまく動かしていこうという点で、KDDIの持つリソースやUXのナレッジでどうやって、もっと資産形成を普及させていくかという取り組みをさせていただいております。

資産形成の領域における課題は、私はインターネット証券にいたのですが、ネット証券でアクティブに取引している層はだいたい5〜600万人です。2017年度の法改正により、資産形成としてiDeCoに加入できる対象者は、約6,700万人に拡大いたしました。

こちらの資産形成の興味層でいくと、トップの1,000万人の顕在層と、資産形成に興味があるけれども何からやっていいかわからないという(約1,800万人の資産形成興味)層と、あと(約9,100万人の)無関心層にどうアクセスしていくか、スマホアプリでどのような体験をリリースできるのかを準備しています。

auの知名度を活かし、推定6,700万人の全パネルにiDeCoという選択肢を

今、我々のサービスとしては投資運用業と確定拠出年金の運営管理機関業の2軸で準備しております。

auという幅広いユーザーリーチを持つKDDIのチャネルでどのぐらいのサービスをリーチできるかという点で、auの投資信託というサービスをプロダクト初期から準備をしておりまして、「au iDeCo」という確定拠出年金のサービスをリリースいたしました。

実際に資産運用会社は、主に投資信託を組成した場合、証券会社経由で投資信託を販売しています。

BtoBtoC投資で投資信託を販売していく取り組みの他に、自社で投資信託を作ってそれを販売のエンドまでやっていく点で、まずひとつauのiDeCoというチャネルを準備させていただきました。

iDeCoのメリットとして、まず拠出額が全額所得税の課税対象額から控除されるというすごく大きなメリットがあります。

また、運用期間中に値上がりした利益や出た分配金がすべて非課税になることと、受け取り時においても一定金額まではすべて非課税になるという特徴があります。

モデルケースとしまして、40歳自営業の方が仮に毎月68,000円を積み立てた場合、課税対象額が年収1,000万円ベースで行くと、1年間で33万円も節税ができることで、20年間60歳までで662万円も節税ができるという非常に魅力的な年金制度となっています。

ただ6,700万人の加入可能な人口に対してまだまだ認知が少なく、大きなマーケットがあるのではないかと思い、さまざまな選択肢を検討しています。

資産形成をすべての人に届ける、『的中率70%まできたAI外貨予測』と『業界初のポイント還元信託報酬』

まず我々では、特にKDDIのUI・UX、こちらのさまざまなデータの蓄積からどういうインターフェースを提供するかという戦略を立てていまして。スマホがまるで年金手帳になるというコンセプトで、アプリケーションを開発させていただいております。

簡単なデモを持ってきておりますのでつながせてください。

吉田 準備の間、会場の皆さんからの質問を、木本さんにお伺いします。

「AIの外貨預金ツールはどれぐらいの的中率でしょうか」

木本 ありがとうございます。「AI外貨予測」の平均70%以上という的中率を誇っています。人間による為替予測の的中率が良くても50%と言われているので、なかなかいいパフォーマンスを出せていると認識しております。

吉田 ありがとうございます。準備ができましたので、デモをお願いします。

伊藤 当社が直近リリースした「auのiDeCo」のスマートフォンアプリと「auの投資信託」について紹介させていただきます。

「auのiDeCo」のスマートフォンアプリでは、自分がいくら節税できるかというシミュレーションができます。

例えばこちらで年収500万円を選択して、現在の年齢35歳を選択して、毎月の掛け金をこちらのダイヤル上のUIで選べます。

ダイヤル上で実際に掛け金を増やしていくと、これは色々所得控除額の計算ルールなどは実際にお勤め先の状況や経費の状況によって変わってくるのですが、60歳までで510万円を積み立てると「102万円トータルで節税できます」というシミュレーション結果が見れます。

残高等の画面もご用意しておりまして、実際に今の年金積立額が時価でいくらになっているかも見れます。

また、「auの投資信託」については、投資信託の運用会社としては初めて、投資信託の運用報酬に当たる運用会社が受け取る委託者報酬の一部を、『au WALLETポイント』と『(Wowma!というKDDIが運営するECサイトで使える)Wow!スーパーポイント』で還元しています。

投資について初めてアプローチするお客様についても、この4本の中だけでリスク・リターンのバリエーションが簡単に選べます。初めてでもシンプルな商品設計でわかりやすく、安心してiDeCoが始められる設計で進めさせていただいております。

吉田 ありがとうございました。