リビングテック協会 -LIVING TECH ASSOCIATION JAPAN-

スマートホーム産業カオスマップ最新版

2024.06.19

▼スマートホーム産業カオスマップ(第2版)

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▼スマートホームの定義とカオスマップ制作の意図・背景意義

 LIVING TECH協会が定義するスマートホームは、『「モノとモノ」「モノとコト」がネットワークで繋がり、機能やサービスがアップデートされることで、一人ひとりにフィットした暮らしが実現できる”住環境”』を指します。日本においては家電メーカーやデバイスメーカーなどが主導している状況ですが、これを実現するためには、メーカーだけではなく、住宅を提供する事業者や、流通を担う小売事業者の、ユーザーの暮らしを起点とした業界横断の連携が不可欠です。そのため、以下の観点を踏まえて、本カオスマップを制作しました。

 ①ユーザーの暮らしや住環境全体で考える視点

  特定産業に特化して分断されたカオスマップではなく、各産業を包括的に捉え、ユーザーを中心とした暮らしを取り巻くソリューションの観点から可視化。14カテゴリーのうち、大半が住宅産業に関わる分野であることも注目すべきポイント。

 ②業界横断型の連携強化

  近接業界との関連性・相関性が感じられるマップとすることにより、業界間の連携を促進させ、利便性、合理性の先にある「豊かな暮らし」の実現や、内閣府が推進する「Society5.0」の実現に寄与する取り組みとする。

▼スマートホームカオスマップ第2版について

 今回の第2版は、「スマートホームソリューション」を14のカテゴリーに分け、のべ400社をマッピング。第1版より、カテゴリーは2種類、プレイヤーはのべ150社増えました。また、昨年に続き、国内外のプレイヤーをマッピングすることで、スマートホーム普及率が50%を超える先進国に比べ、約30%(※2)と、スマートホーム後進国である日本の状況と国内のスマートホーム産業におけるプレイヤーの空白地帯を把握しやすい構成としています。

本カオスマップの制作は、国内外におけるスマートホームに精通した専門家集団であり、IoT(Internet of Things)における共通規格の維持・公開を行う無線通信規格標準化団体Connectivity Standards Alliance(以下、「CSA」)の日本支部の暫定会長に就任、当協会の参画企業会員でもあるX-HEMISTRY(代表取締役 新貝文将氏)の監修のもと、ライフテックコーディネーター/株式会社プレイドの織田未来氏、LIVING TECH協会事務局長/リノベるCVC本部でスマートホームを担当する長島功氏の計3名からなるスマートホームカオスマップ制作委員会で作成しました。

なお、昨年カオスマップの詳しい解説やスマートホーム業界におけるニュースなどについては、X-HEMISTRY代表取締役 新貝文将氏のnoteで公開しています。本年度のカオスマップの新カテゴリーの補足解説説明なども今後予定されております。

note: https://note.com/fumi_shingai

また、ライフテックコーディネーターとして活動する織田未来氏も、ユーザーの立場から見るスマートホームに関する情報をnoteでまとめております。

note:https://note.com/mikiyoko/m/mef23f23dd8b7

▼第2版のポイント

1.損保業界で国内初のプレイヤーが登場、
2.スマートホームのOEM「Smart Home As a Service(SHaaS)」カテゴリーを追」、
3.エネルギーマネジメント領域のプレイヤーの拡大」

の3点です。特に3点目においては、国内におけるスマートホームをソリューション提供する「Home Automation」のプレイヤーも、エネルギーマネジメントのHEMS(当協会が定義する「スマートハウス」)との連携を促進しており、スマートハウスとスマートホームの融合が加速し始めています。

本カオスマップの制作は、国内外におけるスマートホームに精通した専門家集団であり、IoT(Internet of Things)における共通規格の維持・公開を行う無線通信規格標準化団体Connectivity Standards Alliance(以下、「CSA」)の日本支部の暫定会長に就任、当協会の参画企業でもあるX-HEMISTRY(代表取締役 新貝文将氏)の監修のもと、ライフテックコーディネーター/株式会社プレイドの織田未来氏、LIVING TECH協会事務局長/リノベるCVC本部でスマートホームを担当する長島功氏の計3名からなるスマートホーム産業カオスマップ制作委員会で作成しました。

第2版の解説は、当協会が2024年6月5日に開催した「LIVING TECH カンファレンス#6」のセッション3において、「業界関係者は知っておくべき住宅業界の新・基礎知識!「住×Tech」の最新トレンド共有会~CES2024のトレンドとスマートホームカオスマップ#2~」として解説しております。新貝氏による、カオスマップ14カテゴリ概説、CES2024のスマートホームトレンド、当協会メディアパートナー「Statista Japan」による、世界150か国におけるスマートホームに関するグローバルコンシューマーサーベイから読み取れる海外比較と普及仮説、同じく当協会メディアパートナー「RoomClip」のユーザー投稿から見るLIVING TECHトレンドの解説は、以下公式Youtubeチャンネルよりアーカイブとしてご覧いただけます。

▼カテゴリー概説

①Access Control(入退管理)
スマートホームのキラーコンテンツ「スマートロック」などの入退室管理基盤をスマートホームのプレイヤーに提供するプレイヤー

②Smart Home Security(ホームセキュリティー)
海外ではもっともビジネスとして成功している王道カテゴリー。単なる防犯対策の枠を超え、自宅や家族、自動車など大切で気になるものをいつで管理できる安心感に加え、デバイスを追加することでオートメーションなどユースケースの拡大が可能

③Insurance(損害保険)
スマートデバイスにより漏水検知、防犯対策、火災検知などのリスクを低減することで、利用者側のメリットだけではなく、サービス提供者側(保険会社)側の保険金支払いリスクを低減させることができるWin-Winのビジネスモデル

④Energy Management (エネルギーマネージメント)
普及するスマートデバイスをインフラとして活用し、エネルギー使用の監視・管理を可能にするレベルから、宅内のエネルギー利用と快適さを最適化するサービス、電力供給グリッドと連携するサービスまで進化する注目のソリューション領域

⑤Home Automation (ホームオートメーション)
家庭内の異なるデバイスやシステムを統合し、連携できるプラットフォームを提供するプレイヤー。買い切り&DIY型が多くを占めるカテゴリーだが、日本ではサブスク型プレイヤーもチャレンジしているカテゴリー

⑥SHaaS(スマートホームOEM提供) ※新設カテゴリー
スマートホームプラットフォームをB2B2CでOEM型提供するSmart Home As a Serviceは、スマートホーム産業に新規参入したい事業者にプラットフォームを提供することで事業立ち上げの初期費用や運用コストを抑え、参入障壁を下げることでスマートホーム業界の発展に一役買っているプレイヤー

⑦Luxury Smart Home (高級スマートソリューション)
高級住宅向けの統合スマートホームシステムを提供し、プレミアムな快適性を提供しつつ、AV機器の連携やセキュリティ連携などへの拡張なども可能。プロによる設置設定を前提とし、遠隔でのカスタマイズサービスなども提供している

⑧Smart Apartment(スマート住宅)
魅力的な設備としてのスマートデバイスをビルトインする仕組みを提供することで住宅の価値向上を図れることを訴求。スマートホーム先進国では占有部だけでなく、共用部でも活用されており、 物件の管理側の課題解決に使われている。仲介・管理会社の活用して業務効率化やコスト削減に加えて導入物件では家賃の値上」効果も実績としてあがっている

⑨Built-In Developer(スマート住宅提供事業者) ※新設カテゴリー
スマートホームを標準設備として継続的に住宅供給に取り組む不動産デベロッパー企業。海外企業は多岐にわたるため本年度のロゴ掲載は割愛。海外では日本の床暖房や宅配ボックスのようにスマートホームが設備のひとつとして捉えられている。特にアメリカや中国では当たり前になりつつある状況だが、日本においては試験的に一部の物件に単発で採用するケースはマンションデベロッパーなどではあるが、自社物件の標準仕様として展開する事業者は少ない

⑩Support (設置設定サービス)
住宅供給プレイヤーやスマートホームプラットフォーマーが、エンドユーザーにスマートホームを提供する際にスマートデバイスの設置設定のサポートを提供するプレイヤー。DIFM(Do It For Me)「私のために面倒な設置や設定をやってください」というユーザーニーズに対応可能。

⑪Telco (通信事業者)
通信サービスがコモディティ化し、マーケットも飽和している中、スマートホームをサービスとして提供することで競合に対して差別化を図りつつ、収益向上や解約抑止策を狙う通信事業者

⑫Standards/Alliance (標準規格/団体)
スマートホーム技術の標準化や互換性を推進し、複数メーカー間でのデバイス連携をサポートする規格/団体

⑬Smart Appliance(スマート家電 )
コネックテッド家電、IoT家電とも呼ばれるネットに繋がる家電を提供する家電メーカー。単に状態監視や遠隔制御ができるものから、他のスマートデバイスだけでなく他社とのデバイスとの連携や、メンテナンスサービスが紐付いた家電まで多岐に渡っている

⑭Smart Lighting (スマート照明)
形状も電球、壁スイッチ、テープ、タイルなど様々なタイプが登場し、調光調色ができるものなど様々なスマート照明があり、遠隔管理や他の機器との連動でエネルギー管理、エンターテインメント、ヘルスケア、サーカディアンなどでも利用

※各カテゴリーの概説は、追ってホームページ上で加筆修正、更新する場合がございます。

▼掲載ガイドライン

以下に該当するサービス、ソリューションを掲載しています。

・単体でネットワークに接続でき、WEBサイトやアプリで管理できる仕組みを持つ、新たな顧客体験を提供していること
・システム連携などにより、製品やサービスがコネクテッド(接続)され、連携・連動することで新たな顧客体験を提供していること
・AI、IoT、クラウドプラットフォーム、センシングなど、現時点において先進的なテクノロジーを活用することで新たな顧客体験を提供していること
・API連携などで他メーカーの機器を接続連携することで、新たな顧客体験を提供していること
・実証実験レベルではなく、サービスとしての実績やある程度まとまった数量が販売されていること

▼掲載したロゴ・サービス名称・分類について

・企業名よりもプロダクト、サービス、ソリューションの方が理解しやすい場合は企業ロゴではなく製品ロゴ、サービスロゴで掲載しています。
・掲載されている会社名および商品・製品・サービス名・ロゴマーク等は、各社の商標または各権利者の登録商標です。
・本カオスマップは当協会が独自で作成したものとなり、網羅性・正確性を保証するものではありません。
・ロゴの大きさや配置等、業界規模やシェアとは関係性はありません。
・本マップ記載のロゴ・サービス名につきましては、各社に掲載許諾を事前に得ていないものもあります。
・掲載に問題がある場合や、次回更新時に掲載を希望する場合は、お手数ですがinfo@ltajapan.comまでご連絡ください。

※2:スマートホーム普及率・・・・1位:イギリス53.5%、2位:韓国51.2%、3位:アメリカ47.9%、4位:ノルウェー46.2%・・・第13位:日本31%(Statista Japan調べ)

普及率定義:B2Cのホームオートメーションを可能にするネットワークデバイスと関連サービスを対象。インターネットにゲートウェイを介して接続されるデバイスや、家庭内ネットワークの保守や制御に必要なサービスが含まれる。含まれないものは、家庭用機器の自動化や遠隔制御ではないデバイス、スマートフォンやタブレット、スマート TV など、家庭内の接続やリモコンに限定的に関連するデバイス(Statista Japanコンシューマーサーベイ定義より抜粋)

アーカイブ

スマートホームカオスマップ第1版 2023.3.29